パールは貝の体内で生成される、生体鉱物です。
上品で秘めやかな光沢と、ゆらめくような遊色効果のうつくしさで、
たいへん古くから世界中で愛好されてきました。
日本名の「真珠」は、そのまっとうなうつくしさを、
ストレートに表現した名称だといえるでしょう。
日本では冠婚葬祭用のジュエリーとしてもポピュラーなものです。
六月の誕生石のひとつとしてもよく知られています。
パールは貝の体内に入った微細な異物を核として、カルシウムの結晶(アラゴナイト・あられ石)とタンパク質の層が交互に積み重なることによって生成されます。
この有機質の薄層と、アラゴナイトの薄層の干渉効果によって、パール特有の上品な虹色のきらめきが生まれるのです。色合いもまた、二つの層の厚みやバランスによって決まります。
貝を開くと、殻が虹色に輝いているのが観察できます。
これが、パールを生み出す元となる「真珠層」です。
真珠層を作る分泌物は、貝の内臓を包む外とう膜の縁から出されます。
パールは基本的に真珠層を持つ貝ならば、すべて生成可能ですが、天然で生まれることは非常に稀であることから、養殖技術が発達する以前は、現在とは比較にならないほど珍重されました。
養殖技術が発達した現代では、主に、アコヤ貝、クロチョウ貝、シロチョウ貝、マベ貝、アワビ、イケチョウ貝の六種類が母貝として使われています。それぞれの特徴については、次章の「さまざまなパール」で詳しく解説します。
生体鉱物には、パールのほかに、コーラル(珊瑚・さんご)、アンモライトなどがあります。いずれも有機物特有の「命のやさしみ」が感じられ、自然を自然のままに愛する日本人にたいへん人気があります。
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