この章では、より深く品質に関わる、「キズの有無」「照り」「巻き」について解説します。
4・キズの有無
パールは天然物ですから、もちろんキズやシミがあるものもあります。買ったときには気づかなかったけれど、家に帰ってみてみたら大ショック!といったことにならないように、念入りなチェックをおすすめしますが、あまり神経質になり過ぎるのも考えものです。
キズやシミは、大自然の残した足跡。パールに限らず、天然素材のものを選ぶときに重要なのは、キズやシミを含めて、全体的に愛せるかどうか、です。欠点ばかりに目を凝らすのではなく、ひとつひとつの良さを認識した上で、選ぶようにしましょう。
5・照り
パールの光沢は、真珠層の結晶構造によって決まります。結晶が規則正しく並んでいるものほど、よりうつくしい光沢を見せます。ついついパッと見た瞬間の色や形、大きさに目が奪われがちですが、この「照り」こそが、パールのうつくしさの本質であると言っても過言ではありません。
シンプルで小粒なものでも、照りの良いパールは魅力的です。じっくりと吟味して、うつくしい光沢のあるものを選んでください。
6・巻き
お店を回って、数多くのパールを見ていると、照りや質感に重量感のあるものと、そうでないものがあるのがわかります。パールは核のまわりに真珠層をまとったものです。真珠層は、六角形の炭酸カルシウムの結晶がタイルを敷き詰めたように並び、シート状のタンパク質によって接合された結晶板が、規則正しく、階段状に何層にも積み重なってできています。これがパールの品質を決める「巻き」です。
ひとつひとつがきめこまやかで、規則正しくしっかりと厚く巻いたものが、品質の良いパールです。上から眺めたときに、ほんのりと輪のような光芒を描いているものを選びましょう。
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